愛とゴシップの「平安女流日記」を読了して
平安時代にはどんな男性が「いい男」とされていたのでしょうか。
清少納言は、男性が恋人のもとから帰るときの振る舞いに現れると主張していました。
キーワードは「未練たっぷり」。
「まず、いい男は明け方の寝床では、ああ起きたくない、という感じを演出しながら布団の中でごそごそするの。すると女が『ねぼすけさんね。もうこんなに明るくなっちゃったじゃない。みっともないわ』と半ば強引に起こすんです。
そして男は、物憂げにため息をつくの。こんなようすを見たら女が『この人、そんなに私と一緒にいたいのね・・・(うれしい!)』としみじみ思うことは請け合いよ。
自分の意思で帰ろうとするのではなく、女のほうから帰らせるように仕向け、『まだ君と過ごしたいけど、やむなく帰るよ』という形をとっているところが、じつにポイントが高いんです。」
「次に、男が昨晩脱ぎ散らかした指貫袴などの服を着るようす。これも、最初からさっさとはかず、まずは座ったままで女に寄り添い、昨夜の続きだよといわんばかりに甘い言葉をささやくべし。
女が甘い言葉にうっとりしているすきに、帯なんかをいつの間にか結んでしまっているのがいい男なのよ。なかなかの高等テクニックでしょ。
烏帽子のひもだってきちんと結ばなくたってOKよ。直衣や狩衣が多少だらしなくたって、それがまた去りがたさを表現しているんだから。そして出口まで優しく女を誘い、極めつけにこういってスッと消えるのです。『今日の夜まで君に会えないなんて、待ちきれないよ・・・』
こんな別れ方をされれば女は、別れのつらさよりもむしろ、逢瀬の余韻をたっぷり味わうことができるに違いないわ」
いかがでしたか?甘い言葉にうっとりして、男性が着替えているのに気づかないなんてびっくりです。それほど男性の発言が素敵だったのでしょうか。
甘い言葉で女を虜にしろとまでは言いませんが、平成の男性も見習ってもらいたい部分がたくさんありましたね。
この本は、清少納言・紫式部・和泉式部・藤原道綱の母・菅原孝標の娘の平安ガールズたちの赤裸々ブログを読んで今を生きるためのヒントや女子力アップの方法を知るものです。
ブロガーになりたい人は、平安時代の女流作家さんたちから技を盗んでみるのもオススメ。受験生も受験に出てくる古典の概要を知るのにオススメ。パラパラ読めるから気晴らしに読むといいですね。