喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな!
斎藤孝:恋愛関係に入る前って、相手のクセなんて見えないでしょう。ある程度の間つきあったり、暮らしてみて初めて見えてくるものだから。僕はお互いのクセを交錯させて味わい尽くすというところに恋愛の醍醐味を覚えるんですね。普通だったら飽きて次へいってしまうかもしれないけれど、そこから「飽きない」という循環に入っていく。
(中略)
飽きないクセはたしかに、つきあってみないとわからないので、やっかいなんですが。だから初回で相手のクセがはっきりするような状況に持っていきますね。
そして、相手のクセがはっきりする状況なのが「喫茶店で2時間過ごすこと」である。
たとえ試してダメな場合でも、2時間を費やしただけ、お金はコーヒー代のみ。
そして、誰でもいますぐに実行できる。
居酒屋はダメ。理由はお酒が入ってしまうと、どんな会話をしても楽しく感じてしまうから。
「喫茶店での会話」は、声の調子や匂いもある。手の位置や目の動きもある。
身体感覚を伴ってのコミュニケーションが揺るがない結果をもたらす。
斎藤孝:こちらの会話が相手にビビッと伝わり、相手の返してきた言葉がこちらにビビッと電流を走らせる。いつものおしゃべりとは違う、だらだら無駄話とも違う、まさにからみ合うとでも表現したくなるような会話。そんな体験したことありますか?
でもこのエクスタシーを感じられる会話は、物知りな男性の話を聞いて「この人素敵!なんて博識!天才かしら」と感激して、そのまま自分も相手の懐深くにたどり着けたような錯覚だとダメ。(たとえるとキャバクラ、ホストでの会話)
つまり、会話力を磨きましょうということ。
物知りな男に惚れても失敗するよ!(これはガチ)
自分からも惹かれるような会話が出来ないと飽きたって捨てられるよ!(これもガチ)
しかし、この経験があるからこそ次に繋がるので、失恋を恐れずに女のほうからアタックしていこう。
斎藤孝:女性は、過去につきあった男性というものによって変化した存在として現在ある。そういうものとして見るのが、イヤだなと思ってしまったら、もうそこで終わり。そうではなくて、「あ、過去にこんなふうな手が加わっていたのか。つきあってみて初めて気がついた」「それって、自分の体験では決して出会えなかったことだろう。知ることができてよかった」みたいな見方ができれば、豊かな世界が開けてくる。
そういう意味も含めて、男性に文学的要素がなくなってきていることが、なによりも問題で、薄っぺらで貧相な感覚の関係が増えてしまっているのではないかと思います。
とても良かったのは、男を4つにランク分けしてAランクの男を会話で捕まえる方法。
いかに基本的な「会話」というものが大切なのかが分かった。
喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな! (集英社be文庫)
- 作者: 齋藤孝,倉田真由美
- 出版社/メーカー: 集英社
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