ニシノユキヒコの恋と冒険を読了して
今年の二月に映画化されて。
すっごく観たかったのに何故か観に行かなかった作品。
小説のページをめくると出てくる目次で、読むのが楽しみになった。
だって「ドキドキしちゃう」って書いてあったから。
でも内容は結構エグくて。
この10コのタイトル分ニシノユキヒコに恋してしまう女性が出てくる。
そして好きなのに別れを選ぶ女性たち。
最初はなんで女性たちは本当は好きなのに、別れを選ぶんだろうと疑問に思っていたけれど、
読み進めていくうちに、理由が分かってくる。
自分のほうが好きな気持ちが大きくなったら、容赦なく捨てられるんだろうなと
一緒にいても不安しか覚えない人なのがニシノユキヒコ。
だから本気で好きにならないように努力する。
傷つくのが怖いし。女性はみんなニシノユキヒコへの恋に溺れたくないんですよ。
現代的な恋愛をうまく書かれておられる。
そしてニシノユキヒコ本人は捨てられたくないから
「結婚しよう」なんて思ってもいないことを平気で口にする。
「結婚しよう」の言葉の重みをちゃんと理解していなさすぎる。
そう言えば女性は安心するだろう、離れていかないだろうと勝手に思っている。
女性を離さないための手段として口にするような言葉じゃないんですよう。
言葉の重みを意識して、タイミングもちゃんと合わせないと。
その「結婚しよう」の言葉のせいで逆に女性は諦めがついちゃうんですね。
「ああ、ニシノユキヒコは自分のことなんてこれっぽちも気にもかけてくれていない」
でもね、私も作品に出てくる女性たちのように、ニシノユキヒコに恋せずにはいられなかった。
完璧なのに、どことなく抜けた部分を魅せてくるニシノユキヒコ。
この本を友人に貸したら、友人も必ずニシノユキヒコに恋するんだろうなって思いました。
小説と映画は終わりかたが違ってくると思うので、両方楽しんだほうが良いと思います。
まず小説を読むのをオススメします。
ニシノユキヒコを竹野内豊が演じるから好きって感想を持って欲しくないんです。
予告観るだけで竹野内豊に恋しちゃうように映画化されてるみたいなので、注意!