朝井リョウ スペードの3を読了して
朝井リョウさんには、読み終わった後味が悪い物語を書き続けてもらいたい。それが今回「スペードの3」を読了した感想です。
おそらく、あんなに「もうこれ以上話が進まないで」って思いながらもページをめくる作品を書けるのは、朝井リョウさんだけだと思います。
他の人から見たら羨む、憧れるような全てを持っている人の欠点を探り出して、そこを突く。どんな人も必ず欠点を持っているんだよね。
今回は小学校の時に学級委員をやっていた女性と、元宝塚の女優。
人が踏み込んでほしくない部分に踏み込んでそんなに楽しいですか、全てを手に入れている朝井リョウさん。
悔しいよ。見つけにくい人から欠点を見つけるのに、それを書いているのは欠点がない朝井リョウさんなんだから。
人の人生と違って物語は簡単に、好きなところで終わりに出来るから、読み終えた人に何かを感じ取ってもらえるところで終わりにする書き方をしているのかなって思いますが、どうなんでしょう。
朝井リョウさんが好きって公言すると、若手イケメン作家だもんね、ミーハーだねって返されますが、私は性格の悪い朝井リョウさんが好きなんです。
2回サイン会でお会いしたことがありますが、R25のインタビューを読む限り、サイン会はあまり心に残る出来事ではなさそうですね。サイン会にくるのは自分を褒めてくれる人しか来ないから、ですって。
確かに私も「好きです!応援しています!」とかしか話せなかった。
でもそれは、朝井リョウさん本人と握手出来る緊張からであって、あがって伝えたいことが飛んだってのもあったのですよ。
ここで女子校女子大病が出るとは・・・次はお手紙にかきますね。
あとは「桐島」あたりを読んでファンになったであろう女子中高生から手渡しでファンレターを貰っていたのにそんな言い方はないよって思いました。
私は、そんな性格が悪いところが好きなんですけどね。